今日は、会社の登記事項証明書の話をしようかと思います。
会社の登記事項証明書として「履歴事項証明書」を取得することはよくあると思われます。ここで1つ注意が必要なのは、“履歴“といいながらも、その実、履歴が全部記録された証明書ではない、ということです。
うん、なんのことかちんぷんかんぶんですよね?
例えば、今日26/3/31に株式会社伊藤の履歴事項証明書を取得したとします。実は、株式会社伊藤は役員変更を複数回行っていて、平成20年10月に取締役Aが退任、平成25年10月に取締役Bが退任する登記をしていました。この場合、証明書の役員欄には「平成25年10月に取締役Bが退任した旨」の記録しか表に出てきません。平成20年10月の登記記録は閉鎖されてしまうといわけです。
これはどういうことかというと、登記事項証明書の記載事項については商業登記規則の30条で定められています。
第三十条 登記事項証明書の記載事項は、次の各号の区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる事項(第二号及び第三号の場合にあっては、法第百三十三条第二項の規定による登記の更正により抹消する記号を記録された登記事項及びその登記により抹消する記号を記録された登記事項を除く。)とする。
1 現在事項証明書 現に効力を有する登記事項、会社成立の年月日、取締役、会計参与、監査役、代表取締役、特別取締役委員、執行役、代表執行役及び会計監査人の就任の年月日並びに会社の商号及び本庄の登記の変更に係る事項で現に効力を有するものの直前のもの
2 履歴事項証明書 前号の事項、当該証明書の交付の請求があった日(以下「請求日」という。)の三年前の日の属する年の一月一日(以下「基準日」という。)から請求日までの間に抹消する記号を記録された登記事項及び基準日から請求日までの間に登記された事項で現に効力を有しないもの
つまり、今日、証明書を取得すると、平成23年1月1日以前に抹消された登記事項は閉鎖されてしまい、履歴事項証明書には出てこなくなります(ただ、商号と本店に関して直前のものは証明書ののっけられます)。
したがって、平成元年設立の会社の登記記録の全部の変遷を確認するには、コンビュータ化される前のブック形式の登記簿謄本、閉鎖事項証明書、履歴事項証明書と3つ証明書を取得することなります。
不動産登記の全部事項証明書とはちょっと違いますね。
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