司法書士の徒然草

愛知県地方在住。司法書士のこととか。いとう司法書士事務所(http://www.itou-legal.com/)

不動産登記費用の詳細にあげられる項目について(売買編)_その2

登記費用の請求書や見積書に挙げられる項目について昨日は書きましたが、その続きです。

附属書類作成、登記原因証明情報作成

私の場合はこの項目をあげていませんが、私の姉が自宅の登記をお願いした司法書士さんの請求書には「附属書類作成」という項目が挙げられていました。恐らく、登記申請に必要な委任状や登記原因証明情報、承諾書を作成する費用かと思います。
「登記原因証明情報」とは、登記所に提出する報告書です。

売買による所有権移転登記の場合は、最低でも売主様の押印が必要になります。繰り返しますが、この項目はお客様に分かりにくいため、私はこのような項目は設けません。

事前調査費用、事前閲覧など

これについては具体的な案件によってやる作業がバラバラですので、費用もそれぞれの案件によって異なると思います。数千円〜数万円と言ったところかと思います。

具体的には、決済直前の登記記録の閲覧や登記識別情報の有効証明(又は不失効証明)の取得、閉鎖謄本の取得費用や公図などの取得費用となります。

(1)決済直前の登記記録の閲覧
決済当日に差押えの登記が入る可能性があります。また司法書士の預かり知らないところで分筆登記がされていることも…。間違いなく買主さんに物件を引き渡せるかを最終確認するために登記記録を閲覧します。通常は登記情報提供サービスを利用します(1物件337円)。しかし、登記情報提供サービスで閲覧できない場合もあるため、その場合は、法務局へ行って閲覧したりもします。

(2)登記識別情報の有効証明(不失効証明)
登記識別情報は「登記識別情報通知」という書類が重要なのではなく、そこに記載されている識別情報(13桁の英数字)が重要であるため、その情報が有効なのかそうでないのか、が重要となります。
また、登記識別情報は通知後に、自分で失効することもできます。物として存在しないので、決済前には登記識別情報が有効であること(又は失効されていないこと)を調べる必要があります。
このような専門的な作業が必要であるため、なかなかこれをお客様に分かりやすく説明することは難しいですが、この作業はそれほど費用はかかりません。手数料は1物件300円です。

(3)閉鎖謄本や公図の取得
通常は不動産屋さんからもらう登記事項証明書(登記簿謄本)で資料として足りるのですが、案件によっては閉鎖謄本を取得しなければいけない場合があります。紙の登記記録からコンピュータ化の際に発生する移記ミスですとか・・・・。
また、登記手続きをする物件が漏れていてはいけませんので、場合によっては公図を取得して対象となっている土地の周りの登記記録を閲覧することもあります。その際に公図を取得することがあります。

決済立会

売買による所有権移転登記を申請する場合、売買代金をの支払いと登記手続きに必要な書類の引渡しは同時に行う必要があります。なぜなら売買代金を先に支払ってしまったり、登記手続きに必要な書類を先に引渡してしまうと、場合によっては持ち逃げされる恐れがあるからです。このような双方が同時に契約を履行することを同時履行といい、司法書士は登記関係書類を確認し、その同時履行を立ち会う仕事を行います。その際の費用が「決済の立会」となります。


以上、売買による不動産登記費用の項目についての説明でした。

司法書士費用は自由化されておりますので、どのような項目を立ててもいくら費用をとっても基本的には自由です。ですので、ここに書かれていない項目が挙げられていても何も問題はありません。違法でもありません。
「ぼったくりじゃないか?」と早計に思わずに、不明な点があれば、その司法書士にまずは聞いてみましょう。


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