相談は忍耐…と思う時があります。
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前回のつづきです。
戦前に解散して保証責任信用販売購買利用組合の清算人選任の権限は都道府県のところ、県としては、当時の資料がないため、選任できないという回答でした。
そうなれば、逆に話は早いです。
抵当権抹消の訴訟提起と同時に民事訴訟法上の特別代理人選任の申立を行えば訴訟することになりました。
無事、特別代理人が選任され、特別代理人からは「不知」の答弁書がだされますが、消滅時効の起算日は立証できましたので、無事、勝訴判決を得ることができました。
ただ、審理中、裁判官からは、何度も「なんで消滅時効の援用するの?」と聞かれました(汗)。
その言葉の裏は、なんで、物権的請求権で抵当権抹消請求の主張じゃないの?という事かと理解しました。
なんで?なんで?
確かに、物権的請求権で主張した方が訴状も簡単。
あまり深く考えたことはないのですが、被担保債権が消滅→抵当権消滅、という構成の方が、実体法上とも合致するし、被担保債権が消滅していることで判決を得たほうが良いと考えたからなのですが・・・。
裁判官にそのことを伝えても、分かったような分からないような反応でした。
うーん、そんなに変なことなのか?
これにて保証責任信用販売購買利用組合の休眠担保権抹消は解決しました。
大体5ヶ月くらいの時間でしたかね。
貴重な経験を得ました。
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前回の続きです。
清算結了している法人から、抵当権抹消の手続きの協力を得るためには、代表清算人から実印を得ることとなります。
しかし、今解散・清算結了している法人、清算人は全員死亡しているため、新たな清算人を選任しなければなりません。では誰が清算人を選任することができるのか?
会社の場合、清算人の選任を申立てできるのは、利害関係人ですが、保証責任信用販売購買利用組合も同様に利害関係人が申立てできるか?
保証責任信用販売購買利用組合の根拠法となる産業組合法を調べてみると、第73条の2に根拠条文がありました。これによると、裁判所が清算人が選任するのではなく、地方長官(今で言う知事)が選任することができるようです。
「なるほど、都道府県に問い合わせる必要があるのか?」
そうと決まれば、まずは都道府県に相談です。このような事例は、少なからず県内であると思われますので、担当部署の職員さんに経験がある方がいらっしゃるかもしれません。
そう考えて、都道府県に相談しようと動き出しましたが、ストップ。
はて?担当部署はどこなんだ?と・・・。
担当部署はどこですか?と問い合わせるにもかなり専門的な分野ですので、まず窓口になる職員に説明するだけでも大変です。
そこで、公共嘱託協会の業務で、何度かお世話になった県の職員さんに相談することにしました。この方なら、登記業務も精通しているため、説明がしやすいです。
お世話になっている職員さんから担当部署は農林水産部と教えてもらい、いざ、保証責任信用販売購買利用組合の清算人の選任が可能かどうか問い合わせしました。
答えは、できない、ということでした。
またまた続きます。
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普段から古い抵当権(いわゆる休眠担保権)の抹消の相談をいただくことがあります。
まだまだ司法書士経験が10年くらいしかないので、休眠担保権抹消の経験も少ないのかもしれません。1年に2件くらいの依頼を受ける程度です。
そんな中、以前、古い法人の抵当権抹消の依頼を受けました。その法人が「保証責任○○信用販売購買利用組合」というやつです。販売購買って何が何だかですわ。
この保証責任信用販売購買利用組合という法人は、農業会の前進なる団体です。農業会は戦後に農地改革よって解散させられました。代わりに農協が設立されたので、戦前の農協みたいな団体ということかと思います。
法人が抵当権者となっている場合、抵当権抹消には、所有者と法人の代表者の共同申請で抹消することになります。
今回、古い法人ですが古い商業登記簿謄本を取り寄せて代表者が誰か調べてみると、この法人は既に解散・清算結了しており、清算人が多数いらっしゃいました。
保証責任信用販売購買利用組合は戦前に農会と合併して農業会へ承継しているケースがあるそうなのですが、今回の事件の組合は、自主解散していたようです。
さて、この場合、清算人が生きていれば、その清算人からハンコをもらって申請すれば直ぐに解決です。しかし戦中に解散清算結了した法人でしたので、清算人が生きている可能性がかなり低い。いや確実にお亡くなりになっています。
しかしこればかりはきちんと調査しなければなりません。
まずは司法書士の職権を使って、戸籍謄本を調査することにしました。
つづきます。
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