今から3年ほど前、決済の場でこんな相談を受けました。
「お金を貸したまま、逃げられてしまった。契約書はあるが、記載してある住所に郵便を送っても帰ってきて、今はドコに住んでいるか分からない。どうしたらいいか。」
真っ先に、思い浮かんだのが住民票の写し・除票、戸籍の付票で住所を追うことだったんですが、訴訟して回収できそうにもない。相談者も訴訟までは考えてなく、単なる調査を希望していた。
その場にいた不動産の営業さんが、司法書士の先生なら住民票を取れるから・・・みたいなことをアドバイスしていましたが、まてまて、職務上請求は司法書士業務に関することで受任してないと使用できない。
ちょうどそのころ、住民基本台帳法が改正され住民票の写しを本人以外が請求するのが厳しくなった時でした。ペーペーの私には難しい問題。うーん。
「調査して連絡差し上げます」
そういってその場を乗り切った。事務所に戻って管轄の役所のHPを見てみてもよくわからない*1。そして、条文を調べてみると・・・・
住民基本台帳法第12条の3
市町村長は、前二条の規定によるもののほか、当該市町村が備える住民基本台帳について、次に掲げる者から、住民票の写しで基礎証明事項のみが表示されたもの又は住民票記載事項証明書で基礎証明事項に関するものが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該申出をする者に当該住民票の写し又は住民票記載事項証明書を交付することができる。1号 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者
この規定で相談者自身が請求できるのかな?役所に問い合わせてみると、改正施行したばかりなので、どうにも歯切れが悪かったが、債権保全のため交付できるとのこと。おお!じゃあこれだ!
「その場合、自己の権利を行使する証明・疎明する資料は何を用意すればよろしいでしょうか?」
「うーん、契約書でいいよ」
なんとも拍子抜けというか、簡単な手続きで済みそうというか。その後相談者にその旨を報告。仕事につながりませんでしたが、勉強になりました。
ただ、1号に該当する請求は、まだ経験したことがありません。どうなんでしょうね、この辺の運用は。
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