司法書士の徒然草

愛知県地方在住。司法書士のこととか。いとう司法書士事務所(http://www.itou-legal.com/)

相続に関する相談先と専門家の報酬

最近は、相談員をしていても相続に関する相談がとても多いです。
高齢化が進み、相続税法の改正もあって、市民の関心が高まったのかもしれません。

ところで、「相続に関する相談はどこにいったらいいの?」という声をよく耳にします。


確かに、相続税に関しては税理士、不動産に関する相談は司法書士、相続に関する争いや法律全般の相談は弁護士、不動産や税金に絡まない遺産分割・遺言については行政書士と言ったように、専門家の専門分野が入り混じっており、それが一般市民にとって分かりにくい原因になってます。

専門家である司法書士の立場としては、「まず始めは、司法書士へ!」と声を大にして言いたいところです。
ただ、ぶっちゃけて言えば、どこにいっても親身に相談は乗ってもらえると思います。
専門外の分野については、その専門家を紹介してくれたり、きちんと連携してサポートしますとHPにうたっているとこも多くなっています。

私自身も、争いに関しては弁護士さん、相続税に関しては税理士さん、その他動産に関する相談や渉外に関することは行政書士さんを紹介したり、連携したりしています。

さて、そうなると気になる費用に関してですが、こんなニュースを見かけました。

遺産分割についての意思を生前に公証役場で公文書にしておく「公正証書遺言」は年々増加しており、12年は約8万8000通が作成された。司法書士行政書士といった士業は、公正証書にしない「自筆証書遺言」を含め、その書き方を指導したり、遺言通りに遺産を分割するための実務をになう「遺言執行者」になったりしている。
都内在住の山田久子さん(同、63)は07年、リライアンス事務所(東京・豊島)の司法書士、石川雅敏氏に同居する母親の遺言の原案を作成してもらい、遺言執行者を石川氏とする公正証書にしておいた。自宅を兼ねた賃貸アパートの相続をめぐり、異父兄とトラブルになるかもしれないと考えたからだ。費用は公証役場での手数料などを除いて約5万円だった。

 母親の相続が発生した10年には異父兄は亡くなっていたが、その子ども2人が弁護士を立てて遺言執行者に対して詳細な財産調査を要求してきたという。石川氏の遺言執行者としての報酬は、遺言作成時にあらかじめ決めておいた30万円。山田さんは「もし自分が遺言執行者だったら、とても手に負えなかった」と胸をなで下ろす。

一部抜粋遺言作成から税申告まで 相続助ける専門家の相場

ここにあるとおり、全分野にまたがって相談すると大変な費用になったりします。
これをお客さんの負担をかけすぎずに、しかし、きちんと必要なところは専門家を交えてサポートしていく必要がありますね。

相続は、いろいろな問題が絡み合ったり、その背景に潜んでいたりするので、相談時には注意を払っていこうと思います。

しかし、この記事にある画像にある司法書士の報酬相場(不動産の所有権移転)はちょっと高く書かれていますね。「士業団体のアンケート調査をもとに」とありますので、おそらく司法書士会連合会の報酬アンケートの関東地区を元にしているんだろうと推察しますが、これは遺産分割協議書及び相続関係説明図作成も含めての費用ですので、ここの図解にあるとおり、遺言や遺産分割協議などを経たあとでしたら、何も改めて遺産分割協議書を作成する必要はありませんから、報酬としては平均すれば3万代になるのではないかと思います。遺言書作成に関しても連合会のアンケートは立会証人になった場合も含んでいるので、作成起案だけならもう少し下がるのではないかと…。

でも高めに考えておいて損はありません。
相続に限らず、士業のサービスはどうしてもオーダーメイドになりがちですので、報酬はその事案によって変わったりすることが多いですから。

相続に関する相談は、何かが起こってからでは遅いですから、費用を抑える点を考えても、早め早めに相談してください。


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