司法書士の徒然草

愛知県地方在住。司法書士のこととか。いとう司法書士事務所(http://www.itou-legal.com/)

ブラック企業に入ってしまったら集める4つの資料

残業代請求の相談を受けていると、会社を退職してしまった後に相談に来られて、タイムカードなどの証拠を収集が難しい方がいらっしゃいます。

ブラック企業に勤めた経験がある私も、その時は「それどころじゃない!早く辞めたい!」という気持ちも分かりますが、退職後には証拠を集めるのが本当に難しくなります。

ということで今日は、就業中に「やるべきこと」について書いていこうと思います。


残業代請求に必要な証拠は、「労働契約があること」「残業している事」「残業代が発生している事」などを証明している資料です。

1.タイムカード

何はともあれタイムカードです。これらコピーが有るのと無いのとで、残業代の額に大きな影響があります。これは是非ともほしいところです。退職直前に、経理の方に「タイムカードのコピーを下さい」と伝えましょう。「残業代請求をするな」と思われても気にしない。辞める1週間前なら別に気にする必要もありません。
前もって対策を練られるかも…とお思いでしょうが、ブラック企業は慢性的に人手不足ですから、そんな事に人員を割くことはないです。訴えられてから弁護士に相談すればいいや、と考えてますから、遠慮なくタイムカードのコピーを請求しましょう。

●パソコンのログ
タイムカードが無ければ、パソコンのログです。パソコンのログは、「コントロールパネル」→「管理ツール」→「イベントビューア」→「Windowsのログ」→「システム」の中で、見ることができます。
「システム」を右クリックし、「現在のログをフィルター」を選んで<すべてのイベントID>と表示されているところに「6005」と打ち込んでOKを押せば6005のログだけが表示されます。6005は起動のログになります。そして「システム」右クリック→「フィルターされたログ、ファイルの名前を付けて保存」でCSVファイルで保存しておくと良いでしょう。
これと同じことももう一度繰り返し、今度は「6006」のログを保存しましょう。6006はシャットダウンのログになります。
これらのログでパソコンを使っていたことが証明でき、引いては勤務時間も推定できます。

タコメータ
これは運送会社特有の資料ですが、タコメータで勤務時間を推定して証拠とすることができます。

●メモ書き・写真
タイムカードを付けていない、パソコンを使っていない、などの事情があるときは、メモ書きや社内で人が働いている・明かりがついている事がわかる写真(時計・時刻も写して)などを自分で用意するしかありません。メモ書きは証拠としては弱いのですが、無いよりはマシです。

2.雇用契約

雇用契約書で、どのような条件で契約しているかを証明する必要があります。休日日数や残業代の条件、どのような職種として勤務しているか、などがこれで分かります。

●募集要項などの資料
雇用契約がなければ、就職当時の募集要項や求人採用の資料でも結構です。それもなければハローワークを調べて、その会社の似たような採用条件がないか調べます。

3.就業規則

就業規則は大事です。「いつでも労働者に就業規則を見れるようにしなければならない」とあるため、労働者は「就業規則を見せてくれ」といっても法律上問題はありません。ありませんが、これまた残業代請求をするのか?と疑われる可能性もあります。

就業規則には退職金規定があるので、「ファイナンシャルプランナーの今後の資産の相談をする際に、就業規則がないか言われたんです」などと適当な事を言って、コピーを貰っちゃいましょう。
それでもコピーを貰えないようなら、会社の管轄の労働基準監督署に相談し、監督署に保管されている就業規則を見せてもらうよう頼んでみる方法もあります。

4.給与明細

給与明細で基本給はいくら、残業代はいくら、手当がいくら、実際に支払われたかを証明し、これを計算の根拠にしたりします。なければ通帳の写しや雇用契約書・就業規則で推定計算します。


…以上、が残業代請求のために必要な資料となります。
ブラック企業には、当然会社に反発している従業員も多いですから、資料収集の際には結託して行動すると良いと思います。

ご参考までに。

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