司法書士の受験勉強をしている時に、一度は考えた事があるかと思います。
果たして司法書士事務所に勤めていた方が試験には有利か?
今日は、そのことについて書いていこうと思います。
記述式問題では有利か?
ここ数年、不動産登記法の記述式問題では、「別紙」として実際実務で使われるような書式の書面を提示され、問題を解く傾向があります。ここ2年くらいは別紙と事実関係が織り交ぜられていますが、昨年は登記原因証明情報を書かせるとった問題も出題されました。
補助者になると、(事務所にもよりますが)申請書の作成を本職から頼まれることが多いです。その際は、契約書、住民票の写し、印鑑証明書、登記簿謄本などをイヤというほど、見ながら作ります。また、実務では申請件数の間違いだけは絶対にやってはいけないことなので、「名変」*1の確認はクセがついており、申請書を作りまくっている補助者は名変の見落としはしません。
したがって、このような形式の問題は、圧倒的に事務所に勤めていた方が有利と言えるでしょう。
択一式では有利か?
それでは択一式の知識を事務所で使うかというと…全くのNOといえます。
補助者には法律判断をさせる機会はなく、本職の指示されたことをやるだけですので、自分で実体法の判断をすることはありません(逆に判断したらまずいかも)。そうなるとあまり民法や会社法の知識の強化につながるような仕事にはならないかと思います。
不動産登記に関する先例も、実務では決まったところしか先例が関わってこなかったり、あまりにも実務的な先例なので、択一の強化にはなりにくいと思います。
勉強時間の確保
そして何より司法書士事務所に勤務していると勉強時間を確保しにくいです。司法書士事務所は零細ですので、余剰人員を抱えることはありません。ギリギリの人員で仕事をこなしています。そんな中で、仕事をまとめて休ませてくれる事務所はかなり少ないです。
したがって、4、5、6月に仕事を休むことは難しいため、どうしても働きながらの受験勉強となり、長期化の傾向にあります。その間にも、モチベーションの変化*2や勉強環境の変化が起こってしまし、あきらめてしまう方も多いです。