昨日はTBSの宮部みゆきの「理由」を見ていました。
この小説は、私は大学生のときに読んで、とても面白かったと記憶しています。
この当時は民法上で短期賃貸借保護制度があり、その制度を利用した占有屋が、バブルで弾けて競売になった物件を、競売を妨害している問題がありました。
「理由」はそれを題材にした小説でした。
(ただ、TBSドラマでは、ものすごい「家族」押しのテーマでしたが・・・)
ところで、その当時の民法395条の条文です。
第六百二条ニ定メタル期間ヲ超エザル賃貸借ハ抵当権ノ登記後ニ登記シタルモノト雖モ之ヲ以テ抵当権者ニ対抗スルコトヲ得但其賃貸借ガ抵当権者ニ損害ヲ及ボストキハ裁判所ハ抵当権者ノ請求ニ因リ其解除ヲ命ズルコトヲ得
カタカナに慣れていない司法書士受験生もいると思いますが、こっちの方が見やすいという方も多いでしょう。
この当時は、抵当権設定の登記後の短期賃貸借は、期間内は抵当権に対抗することができ、めいいっぱい居住することができたのです。
現在は廃止され、競売が実行されたら半年しか住めなくなりました。昔とは、また違った手口・根拠で占有する占有屋もいるようですが、強制執行妨害罪や競売入札妨害罪も罰則が強化され対策が施されているようです。
来週は、宮部みゆきの「スナーク狩り」です。
私は、「火車」も大好きなんですが、さすがに時代背景が違いすぎでしょうか。こちらは多重債務者・サラ金の問題で、宇都宮日弁連前会長をモデルにした人物が出てきます。
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